科学文献データベースと構造データベースへの架け橋

1)CAS登録番号
CAS登録番号はChemical Abstracts (CA)で取り扱われる個々の化合物を識別するための固有番号で、各医薬品をCAなどの化学文献データベースで検索するためのキーになります。CAS登録番号は鏡像異性体に対して、そのR体、S体、ラセミ体に個別の番号を付けますが、本書ではこうした鏡像異性体をもつ医薬品に対してラセミ体に対する登録番号を当てています。
医薬品のおよそ60%は不斉炭素をもつと言われますが、これらの医薬品のほとんどがラセミ体として提供されています。本書では医薬品がラセミ体である場合にはS体あるいはR体のいずれかをモデリングしています。

2)ケンブリッジ結晶構造データベースにおける結晶構造検索
本書には、ケンブリッジ結晶構造データベース(CSD、2004年版)から集めた医薬品の結晶構造の登録番号を載せています。CSDに収載される結晶構造データはRefcode、NBSID、MSDBIBの3つの登録番号をもっています。これらの登録番号をもちいてCSDから結晶構造の座標ファイルを入手することができます。

3)PDBにおけるリガンド検索
PDBに登録されているタンパク質や核酸などの生体高分子のデータは、英数字4文字からなる識別名「PDBID」をもっています。また、各生体高分子データが医薬品や医薬品前駆体などのリガンドを含む場合は、リガンドに対して英数字3文字からなる「LigandID」が与えられます。医療用医薬品の一般名(英名)をキーワードにしてPDBを検索し、およそ190種の医薬品のLigandIDを収集しました。

各登録データのStructure Summary(下図)では、生体高分子の基本情報に加えて、Ligandの情報が確認できます。Ligand Structureをクリックすれば構造情報の詳細が確認でき、さらに、Ligand IDをクリックすれば、同じLigand IDを有するPDB IDを検索することができます。PDBサイトではウェブブラウザ上で実行可能なプログラムによって、構造を閲覧することができます。例えば、生体高分子部分とリガンド分子の部分の構造表現を変えることで、どのような結合が生成されているかを知ることができます。もちろん、高分子構造の座標ファイル、PDBファイルをダウンロードして、Spartanで操作しても良いでしょう。

PDB

医薬品の効能効果
2008年9月時点の医療用医薬品の添付文書情報を元に、一般名(英名)と完全一致する製品のデータを抽出し、各医薬品の薬効コード・薬効名称・薬効用途の一覧を作成しました。これらの医薬品情報に関しては将来、公開の予定です。重要な医薬品に関して薬効用途が抜けている場合がありますが、これらは先に示した医薬品医療機器情報提供ホームページの検索機能を用いて、一般名(和名)を投入して実際の添付文書の「効能及び効果」を確認してください。